未来日記(無謀な)文章化計画 Prologue 第2節

やっとこさこれでプロローグが終わります

ではどうぞ………


Section 2

僕の周りに、僕の部屋とは似つかない機械的な部屋が現れる。半球状の天井は高く、壁は遠い。
その中心にいるのは、中に浮く玉座に座す一人の神。天井から延びる無数のレバーで何かを操作している。
―ム!雪輝か―
こちらに気づいて視線を寄越す。心なしか上機嫌に見える。
―少し待て―
再びレバーに視線を戻す。神でもそれなりに神経を使う作業のようだ。
―今、因果律の調律中だ―
「また何か始める気?」
軽い口調で聞いてみる。いつものことだ。
―たまには世界も刺激がなくてはな―
「刺激の一言で戦争一つおこされたらたまんないよ」
―そういうな 今度のゲームは面白いぞ―
仮面を揺らして笑うこいつは、時空王『デウス・エクス・マキナ
時と空間を司る、要するに いわゆる神 ってやつだ。
こいつの話に乗るとろくなことにならない。要注意人物………気をつけなくちゃね

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15:45[自宅]
自室にデウスが現れる。
デウスがまた何か企んでいる。
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『また日記か?よくそんなにつける事があるもんじゃの――』
シャクシャクとトウモロコシをかじりつつ話しかける高等技術を持った少女が歩み寄る。
「勝手だろ…」
この少女は『ムルムル』
デウスの小間使い、まあ下っ端だ。
「〈時間〉と〈場所〉と〈おきた事〉―僕が見た物はすべてつけているんだよ」
『…?あほじゃな』
一蹴された。
『それでは無差別ではないか』
ああ・・・
「―――そうだね」
自嘲の意味を込めて呟く。
「僕の日記は目的のない―――『無差別日記』だからね」
夢もなく、目的もなく、
僕にあるのは、この日記と空想世界だけ。




眼を開く。視覚が、いつもの僕の部屋を認識する。
そこは神も少女も存在しない、自分の住む世界。当然だ、あれらは全て僕の空想に過ぎないのだから―――
―寂しいのか?―
デウスの声がする。
「……別に」
―しかし、変われるのなら変わりたいと願う?―
「………」
無言で答える。


―いいだろう―
―お前に「未来」を与えてやる―


未来、だと…?
「どうやって―――?」
思わず振り向く。そこには、神の手から差し出された通信端末があった。
それは四角ばった…
「……僕の携帯じゃないか?」
手に取る。
「何を、企んでいる?」
―面白いゲームを―
闇に消えゆくデウスはそう言って僕の前から姿を消した。
「…まあいいや」
受け取った携帯を開く。
「どうせ、空想だしね」

〜Prologue 閉塞は開放のはじまり〜